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「むーらせっ!!」
ドンッと鈍い音をさせ、勢いよく村瀬に抱き付く
村瀬もこの数ヶ月で俺の奇襲に慣れたのか、大して驚いた様子もなく後ろを振り向いた
「またお前か、陽多。いきなり抱き付くなって何度言ったら分かるんだ」
咎めるように言う村瀬だが、その表情は優しい
だから、俺はますます調子に乗ってしまう
「だって村瀬の背中見ると飛び付きたくなるんだもーん。癖なんだもーん」
「もーんって…高校生男子が言う言葉じゃねぇぞ、それ」
苦笑しながらも、俺を背中から離そうとせず、優しく頭を撫でてくれる村瀬
俺はそれが気持ち良くて、少し目を細めた
「あっ、そういえばさっき、凄い話聞いた!!」
さっきのことを思い出し、村瀬に聞かせてやろうと俺は口を開いた
はっきり言っておく
俺に悪気は無かった
そもそも、この時の悪気とは何かさえ、俺には未だに分かっていないが……
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