#01 嫌い×嫌い

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「むーらせっ!!」 ドンッと鈍い音をさせ、勢いよく村瀬に抱き付く 村瀬もこの数ヶ月で俺の奇襲に慣れたのか、大して驚いた様子もなく後ろを振り向いた 「またお前か、陽多。いきなり抱き付くなって何度言ったら分かるんだ」 咎めるように言う村瀬だが、その表情は優しい だから、俺はますます調子に乗ってしまう 「だって村瀬の背中見ると飛び付きたくなるんだもーん。癖なんだもーん」 「もーんって…高校生男子が言う言葉じゃねぇぞ、それ」 苦笑しながらも、俺を背中から離そうとせず、優しく頭を撫でてくれる村瀬 俺はそれが気持ち良くて、少し目を細めた 「あっ、そういえばさっき、凄い話聞いた!!」 さっきのことを思い出し、村瀬に聞かせてやろうと俺は口を開いた はっきり言っておく 俺に悪気は無かった そもそも、この時の悪気とは何かさえ、俺には未だに分かっていないが…… .
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