はじまり

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「あーすごく緊張する」私、麻里子は高校の先輩3人と小学校の同級生1人とロックバンドを組んでボーカルを担当している。今日は待ちに待ったメジャー初ライブの日。今まで、インディーズとして数多くのライブをこなしてきたけどやっぱり、プロの世界に圧倒される。「だーいじょーぶやって。麻里子ちゃんならやりとげれるて。」声をかけてきたのは、ギター担当の、草ちゃんこと草一先輩。それに続いて「ホンマ、ホンマ、麻里ちゃんならやれる。」「まーちゃんでも緊張するんや。」ベース担当の藍ちゃんこと藍川先輩、ドラム担当のとしやんこと俊也先輩が私に声をかけた。「だって、今まで同じライブハウスとはいえ、キャパ100くらいのとこでやってたんですよ?それが、いきなりキャパ400なんて。」そんな言葉を発する私に苦笑いする先輩たち「まぁ、わからんではないけどな。」その時、「大丈夫…麻里子ならやれる。麻里子の歌は人の心を捉えて、二度と離さない…。」キーボード担当で小学校の同級生、清一が声をかけた。その言葉にはっとした。そうだ、やっとここまで来たんだ。あの人に再会するために。成長した私を見てもらうために。
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