はじまり

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あの人とは私が小学校の時、とある事情で祖父母に預けられた時、祖父母の家の近所に住んでいた、当時、中学生だったお兄さん。ひょんなことから偶然知り合い、仲良くなった。私が高校生になり、家へ戻ることを告げに行った日、お兄さんも大学に入ったら東京へ行ってしまうことを告げられた。でも、その日にある約束を交わした。「麻里子ちゃん、約束だよ。歌だけは、絶対に辞めないこと。今まで、俺の教えた通りのやり方でやってれば、必ず俺に追いつけるよ。だから、その日までサヨナラだけど、俺、待ってるからね。」お兄さんとはその日以来、会ってない。とその時、私たちの楽屋をノックする音がして、ある人達が入って来た。ある人達とは、私たちの所属するプロダクションの先輩バンドだった。かなり世間に知られている人たちで、そんな人達が訪ねて来てくれたことが嬉しかった。そして私にとってさらに嬉しいことが起こった。先輩バンドの1人が声をかけた。「やっと俺に追いついてきたね。麻里子ちゃん、待ってたかいがあったよ。」
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