再会

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再会

「春樹さん!?」声をかけた先輩バンドの1人は、あのお兄さん。驚く私に春樹さんは、意外そうな顔をして、「えっ?知らなかったの?」と心底落ち込ましまった。「そんなに落ち込まなくても……。」何だか悪いことをしてしまった気持ちになってしまった。そんな私を見て春樹さんは「でもよかった。本当に待ってたかいがあったよ。」と感慨深そうに私を見た。私もそんな春樹さんに答える「春樹さんが心がボロボロに傷ついて、本来の自分をねじ曲げた私を東京に行ってしまうまで、歌を教えてくれたから、ここまで来れたんです。」そんな私を見て、春樹さんは私を見つめながら、「そっか。現在の君が本来の麻里子ちゃんなんだね。初めて本来の君を見た気がするよ。と言っても俺も君と一緒にいたのは君が小5の時から高校生になるまでだけどね。」と言った。その瞬間、清一が一瞬だけ苦い表情を作り、すぐに元に戻した。私もそんな清一が視界に入ってしまい、苦い記憶が蘇り、苦い表情を作ってしまった。そんな私たちに気付いたのか、春樹さんは、清一を一瞬、食い入るように見つめ、そして「じゃあ、もうすぐ出番だから、あっそうだ。交流会ってわけじゃない
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