青い季節

再会

けどこのライブが終わったら、みんなで打ち上げしようよ。」と声をかけたことで、私と清一と春樹さん以外のお互いのバンドメンバーは、「おおー！」と盛り上がった。ただ、清一と私は、複雑だった。私たちブラッディールージュは、傍から見れば、とても仲の良いバンドに見える。実際、仲も悪くない。でもそれは、年上メンバー達と私、年上メンバー達と清一。という形で成り立っている。私と清一は仲が良いかと聞かれれば、二人とも上手く答えられない。以前、草ちゃん先輩に「麻里子ちゃんと清一くんって、小学校の同級生なんだろ？ある程度、仲が良いから、メンバーに入ったんだろ？なのに何でそんなにギクシャクしてるんや？」と聞かれたことがあった。その時、私は「私が家の事情で、一時的に祖父母の家に預けられることになって、転校したんです。地元の街に戻ったのは高校生になってからですから、一時的に疎遠になっちゃって…。」と嘘を吐いた。嘘といってもただ一点だけ。祖父母に預けられたのは事実。高校生になって、戻ってきたのも事実。家の事情、これだけが嘘だった。