年上メンバー達との出会い

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年上メンバー達との出会い

祖父母の家を離れて、春樹さんと別れて、地元に戻って来た私は、地元にある私立高校に入学した。私の地元には、公立高校が近くにないから地元の子みんなが、この私立高校の普通科を受ける。だから、普通科の一年生の中で、私を知らない人はいない。それもあって、私は、この私立高校の家庭科に所属した。家庭科は、近隣の市からの越境入学の子ばかりで、通称、越境クラスなんて呼ばれてた。「おい!またアイツ来てるで!」「うわ!ホンマや!よく来れるわ!早よ帰れや!」この高校に入学して、はや数週間。瞬く間に私が戻ってきたとの噂が、拡がったみたいで、昔の同級生だった普通科の一年生たちが、この高校の一番長い休み時間である昼休みを使って、毎日のようにこの言葉を言いに来る。クラスメイトの数人が、「うるさい!」「昼メシの邪魔!」「おまえらの方こそ、自分たちのクラスに帰れ!」と追い出しにかかってくれるが、昔の同級生たちも負けずに「何やと!アホクラスのくせにいい度胸してるやんか!」と返すから、いつも一触即発の状態になってしまう。「もう、来んとって……」私が、小さく呟いたのが、聞こえたのか、昔の同級生が
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