縁の下の力持ち

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先生がまだ戻って来なくて愚痴っていたけど、3年と1年の2人も手伝ってくれたお陰で全員、手当てをする事が出来た。おまけに1人でやらないといけないと思ってた片付けまで手伝ってくれたので本当に助かったよ。 先生に奢って貰う学食の食券は3人分にして貰おう。 片付けが遅くなったから急いでクラスに戻ったけど安川先生はまだいなくて、皆は仲間内で思い思いの場所に固まり体育祭の事や優勝を喜んでワイワイガヤガヤと騒いでいた。真矢さんも輪の中に入って一緒に喜んでいる。 教室に入ってから誰も僕には声を掛けてくれない。僕から話し掛けようと思ったけど皆が出てた競技も忙しくてほとんど見れなかったから話し掛け辛かった。 僕だけ蚊帳の外って感じだ。寂しく思いながら自分の席に座り帰り支度を始める。 ふと、机の左隅のシャーペンで書いた麻衣の名前が目に入る。名前をハートマークで囲ってあって、麻衣が書いた物だとすぐにわかった。 絶対に消さないからね♪ 寂しさが消えて自然と微笑んでいた。 教室の角にポツンと座っている僕の元へ真矢さんがやって来る。 「お疲れ様でした♪」 麻衣が帰る時、会いに来たらしいけど、僕が忙しくしていたから会わずに先に帰ったと真矢さんが教えてくれた。
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