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わざわざ話しに来なくてもいいんじゃない?とも思ったけど、お礼だけ伝える。
「ありがとう」
すぐに戻ると思ってたら急にモジモジとし始める真矢さん。
「あのぅ…」
何か話そうとしてたけど、安川先生が教室に来てしまい真矢さんが残念そうな顔をして席に戻った。
気にはなったけど安川先生に視線を移すと珍しく笑ってる。
「お前達、良くやった♪ 俺も鼻が高いぞ。月曜は休みだからゆっくり休め。お疲れさん♪」
この高校の体育祭は毎年土曜日に行われ、その振替は月曜日になっていて、結構嬉しかったりする。
いつものように先生は教室を出ていくと思いきや扉の手前で立ち止まり僕を見た。
「酒井。リレーの時の応援はナイスだ。あれで俺のクラスが目立ったからな♪ それから中田先生がお前にお礼を言ってたぞ」
笑いながら先生は出ていった。
そういえば中田先生は結局来なかったけど、まさかサボってたんじゃないよね?
何て事を思いつつバッグを持って塾へ行こうと立ち上がった。
「登!」
和君が振り返り僕を呼び止める。
「お前のお陰で盛り上がったぜ。ありがとな♪」
あの応援の事を言ってるんだとわかり笑って頷く僕。行こうと思った時、足が止まり、今度は僕が和君を呼び止めた。
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