縁の下の力持ち

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休むなんて珍しいな。 おじさんは根っからの仕事人間で余程の事がない限りお店を休んだりしない人だ。だからそれほど大事な用事が何なのか気になったけど、僕が聞く事でもないと歩いていた道を引き返した。 バイトが休みになったのはいいけど、これからどうすればいいのか迷ってしまう僕。 帰っていいのかな… 3人は今夜の予定を立てているはずで、このままアパートに帰ったら3人を邪魔する事にならないか心配だった。 寄り道して帰ろうと考えたけど、夜まで時間を潰せるような場所なんて知らないし1人で街をブラブラするのは寂しいしやった事がない。 僕って甲斐性なしだよな… 行く宛てもなく戻っていると送られて来ていたメールを思い出して開いて見た。 麻衣から送られた写メだった。 机の上に広げられているお弁当の写真。 写真だけだからわからないけど麻衣が送ってくれたんだから真矢さんが作ったお弁当だと思う。そして教室で何か話そうとしていた真矢さんを思い出す。 感想を聞きたかったのかな? そうとわかれば写真をじっくりと観察する。 頑張ったんだろうな。見た目も綺麗で何より美味しそうだ。 食べてみたかった。これが僕の感想だ。
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