縁の下の力持ち

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恋人同士なら一緒にしてあげたんだけど違うからダメだよ? 今日は真矢さんの為のおもてなしだから安心して寝て貰わないと。 部屋分けを伝えたら和君がしょんぼりと項垂れていた。 麻衣と真矢さんは寝室へ。和君はトボトボと和室に入った。 和室の押入れからお客さん用の布団を出して寝室へ運んだけど2人の声が廊下まで聞こえている。 「これが酒井君?」 僕達のアルバムを見ているようだ。 「昔から変な顔でしょう?」 聞いてないと思って… 寝室の襖を開ける。 「今も変な顔で悪かったね?」 麻衣が笑ってる。わかってる事だけど言葉にされるとやっぱりへこむんだから。 麻衣に布団を渡すとすぐに敷いて2人して布団に寝っ転がってアルバムを見出した。 和室に戻ったけど楽しそうな声は和室まで聞こえて来る。 「これが小学生の時のお兄ちゃんの裸の写真♪」 「キャッ!」 もうやめてよ… 恥ずかしいから布団を頭まで被って耳を塞いでしまう。いつもなら笑われるのに静かだと思って顔を出して隣を見たら和君はもう寝てた。 僕も寝ようと思って目を瞑ったけど、寝室からまだ声が聞こえて来て、夜中まで2人の笑い声が止まる事はなかった。
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