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その後何度か戦闘を繰り返し、二人がふと気が付けばそこはもう河のすぐそばだった。
「ジェノ、トンネルの入り口ってあれかな?」
「お……そうらしいな」
ブレットの指差す方には、もっこりと盛り上がった地面。
そして、その中腹にひんやりした風を吹き出す下り階段があった。
「なになに……『ゴーストに注意』だって」
「ゴースト?」
入り口のそばにある立て看板には、そんなことが書かれていた。
ゴーストは亡者の思念が実体化した魔物で、スライムよりも上ランクに位置する。とらえどころがなく、攻撃が当たりにくいという特徴を持ち、たまに呪術を使ってこちらの戦力を低下させてくる厄介な敵だ。
そのゴーストがトンネルの中に住み着いているらしい。
「どうする?一回町に戻って体制を立て直した方がいいかな?」
「いや、このまま通った方がいい。親父に『なるべく急ぎで』って言われているからな」
「……変なところで律儀だよね、ジェノって」
「そりゃどうも」
ブレットは軽く嘆息し、トンネルの中を覗き込んだ。
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