第一章 剣を持ち主へ

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「喰らえっ!」 ジェノは次々に襲いかかって来るコボルトを、的確に切り裂き、薙ぎ払っていった。 しかし、あまりにも敵の数が多すぎる。 ジェノは少しずつ、だが確実に手傷を負っていった。 「くっ……何匹いるんだよ、こいつら!」 その顔に、先程までの余裕は感じられない。 「よし、行っけええっ!」 ここで、ブレットがもう一つの得意な属性である闇の術式を展開した。 ブレットが放出した魔力が暗黒の刃に形を変え、魔物を打ち付ける。 危険を察知したコボルト達は少しジェノ達から距離をとった。 「逃がさないよ!!」 ブレットの操る影は人食い花の蔓のように、魔物に絡み付き、引きずり倒し、引き裂く。 少し余裕の戻ったジェノは、敵を斬りつつ、周囲の状況を確認した。
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