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「分かったよ……俺は旅に出て何をすればいいんだ?」
ジェノは身を起こしながら言った。
「ふっふっふ。そう急くな。……ジャジャーン!」
父親は何処からか剣を取り出した。
所々に細かい装飾のある銀色の片刃の剣だ。
古びてはいるものの、手入れはしっかりとなされている。
父親はその剣を自慢気に掲げながらこう続けた。
「これは『ブレイブソード』!! 勇者のみが扱うことのできるといわれるすっごい剣だ!」
「だっせえ名前……」
「はっはっは! 文句は十代前の先祖に言え! その先祖が勇者から譲り受けた時に、そう名付けたんだからな!」
ジェノは呆れ顔で言った。
「……で、その剣がどうかしたって言うんだ?」
「『その剣』じゃない! ブレイブソードだ! お前はこいつを使いこなすことのできる勇者を探すんだ」
父親は剣をジェノに差し出した。
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