第一章 剣を持ち主へ

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「分かったよ……俺は旅に出て何をすればいいんだ?」 ジェノは身を起こしながら言った。 「ふっふっふ。そう急くな。……ジャジャーン!」 父親は何処からか剣を取り出した。 所々に細かい装飾のある銀色の片刃の剣だ。 古びてはいるものの、手入れはしっかりとなされている。 父親はその剣を自慢気に掲げながらこう続けた。 「これは『ブレイブソード』!! 勇者のみが扱うことのできるといわれるすっごい剣だ!」 「だっせえ名前……」 「はっはっは! 文句は十代前の先祖に言え! その先祖が勇者から譲り受けた時に、そう名付けたんだからな!」 ジェノは呆れ顔で言った。 「……で、その剣がどうかしたって言うんだ?」 「『その剣』じゃない! ブレイブソードだ! お前はこいつを使いこなすことのできる勇者を探すんだ」 父親は剣をジェノに差し出した。
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