第一章 剣を持ち主へ

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ジェノは父親に詰め寄る。 「親父……冗談も大概にしろよ?」 「いや、本当に十代前の先祖が夢枕に立って話しかけてきたんだよ」 「何て?」 父親は裏声で言った。 「別の大陸にいるはずの次期勇者を探し、剣を渡せ。さすれば良いことが起こるっぽいよ」 言い返すのが面倒になったジェノは諦めた。と言うより、言い返す気力が尽きてしまった、の方が正確か。 とにかくジェノは父親の話を受けることにした。 「……分かったよ、行けばいいんだろ?」 「そうだ。今日の内に準備して明日出発だ。いいな?」 ――こうしてジェノは旅に出ることになった。
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