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復興支援団体『エスペランサ』はある日『モビルスーツ』と呼ばれる機動兵器のデータを地中から発見し、そのデータをもとに生産、復興作業のために運用するようになる。
この時、人々は知らなかった。
モビルスーツを巡る大きな問題が生じることを……
エスペランサがモビルスーツ(以下MS)のデータを発見してからひと月も経たず内に、MSは一般の人々の手にも渡った。それはエスペランサが、自分たちのみでMSを独占する必要がないと判断したからだ。
それからあっという間に、あらゆる地域にMSが普及していった。
問題はここからだ。
復興作業などに大いに役立ったMSであったが、無論誰もが皆復興作業に利用するはずがなく、ならず者グループ同士の争いや物質強盗など、いつしか悪用する事がもはや当然となってしまったのである。
そこで、エスペランサも治安維持のためにならず者集団とやむを得ず戦わなければいけなくなる。
エスペランサのMS配備は、治安維持班の方に戦闘能力の高いMSを配備し、復興支援班の方にそれ以外のMSを配備する…といったシンプルなものだ。
その点、ただでたらめにMSを使用するならず者集団と比べてわずかに戦闘能力は高かった。
しかし、集団とて一つや二つの規模ではない。
星の数ほどあるかさえも知れない集団を一つの団体でどうにかしようなど、到底夢のような話だった。
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