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「残念、上なのよねぇ」
サーペントはまるで道化師の如く、くるくると回転しながらジャンプしていた。
そして肩のミサイルポッドを展開し、バラまいて着地する。
「ぐぉああああッ!」
ゾノにミサイルの雨が降り注いだ。ミサイルの爆煙で見えなくなっても、さらにガトリングガンを撃ち込むサーペント。
「うふ、あはは…いい声…もっと聞かせてぇ?」
「や、やめろ!やめてくれぇええ!」
ランドからは先ほどの威勢は消え去り、何も見えない爆煙の中でいたぶられる恐怖しか残っていなかった。
その様子にゾクゾクと体をふるわせるリオ。
「最高ねぇ。もう濡れちゃいそ…」
さらに弾を撃ち込もうとするサーペントをキールのギャン改が止めに入る。
「その辺にしておけ。奪われた食料が酷いことになる」
爆煙が晴れたところには、丸くうずくまるゾノがいた。
「無様だな…まぁいい。さっさと奪っていったものを返してもらおうか」
「ひぃ!」
ランドのゾノは四つん這いで逃げようとするが、ギャン改は大型ビームソードを地面に突き刺し、阻止する。
「誰が逃げていいと言った」
恐る恐るランドはコクピットを開き、奪っていったものと思われる食料と水の入った袋を多数降ろす。
「…これで全てか?」
ランドは無言で、首を縦にぶんぶんと勢いよく振る。
「これに懲りたらもう盗みなどするな。貴様らに次はない。立ち去れ」
キールは地面に刺した大型ビームソードを抜き、大きく振る。
ランドのゾノは一目散に逃げていった。
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