第2話~初任務~

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「あの…リオさん、キールさん、ありがとうございます」 吹っ飛ばされたジム・クゥエルを起きあがらせ、頭のたんこぶをさすりながらクゥエルが言う。 「礼には及ばないわ。私も楽しめたし♪」 「勘違いするな。ボクは任務を遂行してただけだからな」 「あらぁキーちゃん、もしかしてツンデレぇ?」 リオのサーペントは肩でギャン改をぐいぐいとおちょくる。 「知らん。先に帰還する」 キールのギャン改はバーニアを吹かし、高速で本部へと向かった。 「ふぃ~、一瞬いろんな意味でヒヤヒヤしたが、とりあえず一件落着だな」 ボブは首や肩を大きく回し、息をつく。 「じゃ、あたしも先に戻ってるね~」 アユミのフラッグは飛び上がり、空中で変形し飛び立った。 「なぁクゥエル、知ってたか?」 「?」 ボブが思い出したかのようにクゥエルに問いかける。 「あのフラッグってMS、本当は空中で変形することは想定してないようなんだ」 「え?でも…」 「アイツはやってた、ってことだろ」 クゥエルは首を縦に振る。 「腕前のいいパイロットには、それが可能らしい」 「そ、データによるとそれは『グラハム・スペシャル』って呼ばれていたらしいわ」 リオがさらに付け加えて言う。 「グラハムって人が初めてそれを成功させたんだって。あの子、きっと『フラッグファイター』の素質があったのかもね」 「ぐらはむ?ふぁいたあ?」 クゥエルは途中で訳が分からなくなり、しきりに首を傾げる。 「そんなに深く考えなくても大丈夫よ。さ、私たちも帰りましょうか。クゥちゃん、あとで一緒にお風呂入りましょ」 「え?えーっ!?」 サーペントがジム・クゥエルの手をとり、引っ張っていった。 「やれやれ、女性陣は仲好しだな」 一人残されたボブも本部へ向かって歩き出す。 「あのツンツン坊やも心を開いてくれればな…」
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