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「…何をしているんだ?」
たった今、様子を見にきたキールがアユミに話しかける。
「あっ、ちょうどいいところに。キール君、これのパイロット代わってよ」
「嫌だね」
「即答!?なんで!」
「エレガントじゃない」
「は!?」
「ま、せいぜい頑張ることだな。ボクは高みの見物としよう」
キールはアユミから離れていく。
「あんのキザ男~!」
「…決定だな。頼むぞアユミ」
「とほほ…」
アユミはしぶしぶバイアランに乗り込み起動した。
「じゃ、いってき…うわぁあ!?」
バイアランは真上に高速で飛び上がった。
アユミ本人は軽く飛んでブーストを吹かしただけである。
「おぅアユミ、大丈夫か?」
ボブがバイアランに通信を入れた。
「大丈夫…だけど凄いよこの推進力。空中での戦いも出来るくらい」
アユミはバイアランを空中で回転させたり四方八方に移動させて見せる。
「ほぅ、なかなかだな。もうちょっと飛んでみてくれ」
「あいよ~」
バイアランの各部に搭載された大型スラスターは、MS単騎での空中移動を可能にした。機体サイズの割に軽く、空中での機動力においては完璧だろう。
「なぁ、カーネルよ」
「ん?」
「あのバイオリンって奴、なかなか良い感じのようだ」
「バイアランな」
「そうそう、それそれ」
「だから掘り出し物って言ったろう?今まで奪ったMSの中で一番かもしれん」
カーネルは空を飛び回るバイアランを見上げて言う。
「だったら、売らんでクアドリガの戦力にしたらどうだ?」
「あいにく我々は地上戦がメインでね。空に上がる必要はない」
「そうか。ま、これでアレの性能は分かったわけだし…決まりだなこりゃ」
「おう、毎度あり!」
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