第3話~その名はクアドリガ~

7/19

10人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
一方、空では三機の紫色のヘリコプターらしき物が飛んでいる。 「はぁ、俺らがなんで墜落したMSなんざ探しに行かなきゃなんねぇんだよ!」 「俺に当たんな!つかコイツがボサッとしてっから落とされたんだろうが!」 「二人とも!俺のために争わないで!」 「お ま え の せ い だ ろ」 「ご、ごめん」 ヘリコプター三機のパイロットは何かを探しているようだ。 「ん?あれは…ヘリコプター?」 アユミは接近してくる機影を目視で確認する。 敵か味方か民間機か分からなかったので、とりあえず距離を取る。 「あーーーッ!あれだよあれ!」 「何が?」 ヘリコプターがバイアランの前で動きを止めた。 「俺の乗ってたMS!」 「マジか!」 ヘリコプターのパイロットが、アユミのバイアランに通信を入れる。 「あーあー、何処の誰だか知らんがー、それをこっちに渡してくれないか」 「何でさ?」 アユミは納得いかず反論する。 「もともとソイツは俺らのモンだからな。何処で拾ったか知らねーが」 「もともと…?」 ふとアユミはカーネルの言葉を思い出した。 『空を飛んでいたところを焼夷榴弾で撃ち落としてやった』 そうか、そういうことか、とアユミは納得したように頷く。 「ふぅん、残念だけど返せないね」 「なにぃ?」 「これはあたしたちが買い取る予定なの」 「…ふざけたことぬかすなよ!」 三機のヘリコプターは変形し、人型となった。 「え?MSだったの!?」 驚くアユミ。 「てめぇ、こっちが下手に出てりゃ勝手なことを…こうなりゃ力ずくで奪還する!」 変形したMS『ZMーS09G トムリアット』は、バイアランを包囲する。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加