第3話~その名はクアドリガ~

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「そぉら落ちろ!」 トムリアットはビームライフルを放つ。 それをバイアランは思いもよらず軽く避ける。 「早い!?」 さらにトムリアットは集中砲火を浴びせる。 「この機体…体格の割に敏感だなぁ」 アユミはバイアランに感心しつつも、反撃の体制をとる。 「これでどうかな!」 バイアランは腕に内蔵されたメガ粒子砲を放った。 高出力のビームがトムリアットを掠める。 「うおっ!なんて攻撃だ…」 「当たったら一溜まりもねぇぞ!」 「助けを呼べ!そんで時間稼ぎだ!」 トムリアットは三機同時にミサイルをバイアランに発射する。 爆発音とともに、凄まじい爆煙に包まれるバイアラン。 「…やったか?」 「へっ、時間を稼ぐ必要も……な、なにぃ!?」 爆煙が晴れると、そこにはビームサーベルを構えたバイアランがいた。 見るからに無傷。 「秘技、切り払い…なんてね!」 アユミはミサイルをすべてビームサーベルで落とすという偉業を成し遂げた。これは本人すら予想しておらず、一か八かの賭けだった。思わずしたり顔をするアユミ。 「ば、化け物か…」 「ひとまず退却だ!俺たちじゃ歯が立たん!」 トムリアットは一目散に逃げようとする。 「逃がさないよっ!」 バイアランは急接近し、トムリアットの左腕を次々切断していく。 「ば、バランスが!」 「おちるうううぅぅぅ………」 トムリアットは体制を崩し、落下していった。
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