第3話~その名はクアドリガ~

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アッシマーが踵を返したそのとき、一閃のビームがアッシマーの脚部を直撃する。 「ぐぉっ!まさか…そんなバカな!」 アッシマーはバランスを崩し、真っ逆さまに落ちてゆく。 「う!うそだああぁぁぁぁ…」 その下には、腕を伸ばしたバイアランがいた。 「言ったでしょ、希望を捨てなければ這い上がれるって…」 バイアランの落下は止まらない。 「推進剤が切れたみたい。ちょっと無理させちゃったもんね…」 そのまま逆さまに落ちていくバイアランは、とうとう地面に墜落した。 「な、なんだ!?」 突如の轟音に、エスペランサとクアドリガのメンバーが駆けつける。 「バイアランが…」 「そんなバカな…おい、コクピットを開けるぞ!」 ボブはバイアランのコクピットハッチを開けた。 「…嘘だろ?」 アユミは額から血を流し、意識を失っていた。 「アユミ!アユミぃ!」 クゥエルがアユミに呼びかける。が、返事はない。 「…私のせいだ。私が守ってあげられなかったから…」 「バカ言え、俺が嫌がるアユミを無理やりバイアランに乗せたから…」 クゥエルは泣きじゃくり、ボブは上を見上げ、リオは必死に涙をこらえ、キールは驚愕を顔に浮かべる。 「…くそっ、頼む!返事をしてくれよ!アユミぃいいい!!」
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