第3話~その名はクアドリガ~

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一方、外ではジルが『MSー06V ザクタンク』を操縦し、落ちているMSを回収していた。 「ジルぅ、こんなん集めてど~すんの?」 ザクタンクの背中の足場に乗っているエイラがジルに問いかける。 「…売るに決まってるじゃない」 ジルは嬉しそうに言う(傍目からは分からない)。 「…小型で空も飛べるMS、売れるわ。護衛用に街にでも売ろうかしら」 ありったけのトムリアットを集めて満足げなジル。 「そういえばさ~?ジルってよくこ~いうことしてるけどさ、売ったお金は何に使ってるの~?」 エイラはさらに問いかける。 「…ヒミツ」 「え~?」 「…あ、変な人発見」 ジルは話題を逸らす。 「え?どこどこ?あ、いた~」 ジルは下半身が消えて腕が複雑に折れているアッシマーと嘆いている独りの男、マキシムを見つける。 「ぉおおー!アッシマーがぁぁぁぁ!!」 「…頂いていくわね」 「ぁあ!?」 ザクタンクは半壊したアッシマーをひょいっと持ち上げ、連れて行ってしまう。 「待てドロボウ!俺のアッシマー返せ!」 マキシムは走ってザクタンクを追いかける。 (…作戦成功だわ) ジルはアウドムラにいるアンナに通信を送る。 「…バイアランの持ち主と思われる集団のリーダーを連れてくわ。あとはお願い」 ジルのザクタンクはアッシマーを持ってそのままアウドムラへ。 「な、なんだこの船は!」 マキシムは一瞬戸惑うが、盗まれたアッシマーを追ってアウドムラに侵入する。 「んふふ、いらっしゃあい」 そこに待っていたのはアンナだった。 自慢の身体を巧みに魅せつけ、マキシムを誘惑する。 「だだだ誰だあんたぁ…」 マキシムは赤面し、動揺する。 「ねぇ?あっちでいいことしましょ?」 アンナは短いスカートの裾を捲り上げる。 「い、い、いいですとも!」 (ちょろいわね…♪) アンナに部屋へと誘導されるマキシムは、このあと大事な情報やいろんなものを搾り取られるのだった。
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