第1話~少女とモビルスーツ~

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「へっへーん、あたしの空色フラッグを見て驚いたか!」 「テメェ何もんだ!」 男共はドートレスに乗り込み、アユミのフラッグに銃を向ける。 「エスペランサ治安維持班、アユミ・カザハラ!空を愛するMS乗りさ!」 「え、エスペランサだとぉ!?」 「ちっ、やっかいな奴に目ェつけられちまった…」 男共がざわつくが、リーダー格の男が声を上げる。 「怯むんじゃねぇ!コイツを生かして帰さなきゃ済む話だ!テメェらヤっちまえ!」 「やれやれ、三流悪党の吐くセリフだね」 ドートレスはフラッグに向けて一斉にマシンガンを放つ。 「あのひょろいのから潰せェ!」 マシンガンの弾をひらりひらりと避けながら、フラッグはリニアライフルを構える。 「フラッグはひょろいけど、機動性がダンチなのよね~」 戦場を舞うアユミのフラッグと、定位置でマシンガンを撃ち続ける敵のドートレスでは、腕前の違いも段違いだった。 避けながら一発ずつ、リニアライフルをドートレスの武器や頭部に撃ち込む。 するとどんどん体勢を崩し、文字通りに倒れていく。 「まだまだだね。ま、予想はしてたけど」 「くそっ、アイツつえーぞ!」 「ならそっちの丸腰女から落としてやれ!」 敵の標的はフラッグからジム・クゥエルに移った。 (来た!何か武器は…?) 少女はコクピット内のモニターやスイッチを見て、武器を探す。 「くたばれェ!」 (これで!) トリガーを引くと、ジム・クゥエルの頭部のバルカン2門から高速で弾が発射され、ドートレスの頭部の3つのカメラを破壊した。 「くっそ!前が見えない!」 カメラを破壊されたドートレスのパイロットは混乱し、マシンガンを乱射する。 「おいやめろ!何処に撃ってんだ!俺だ俺!ってうわぁー!」 その凶弾は味方であろう他のドートレスに次々当たっていく。
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