第1話~少女とモビルスーツ~

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(結果おーらい?) 少女が棒立ちでそれを見守っていると、フラッグがジム・クゥエルの肩に手をかける。 「黒い機体のパイロット、聞こえる?」 「あ、はい…」 これは所謂『お肌の触れ合い通信』というもので、MSの装甲に電波を伝える接触回線だ。 「やるねキミ!名前は?あぁ、あたしアユミ・カザハラ!」 「……覚えてないんです」 「へ?」 「私、記憶が無いんです。このMSに乗る前の記憶が…」 アユミはあちゃーっと言い、話題を変える。 「な、何で襲われてたか分かんないけど、大丈夫!…あたしらはキミの敵じゃないから」 「あたし『ら』…?」 少女は疑問を持ったが、その疑問は一瞬で消え去った。 「伏せろお前ら!」 「!?」 2人は驚き、さっと体制を低くした。 頭上を通り過ぎる一発の弾頭。それは敵の群れに着弾し、辺りは炎に包まれた。 「あ、あちぃ!火が、火がァー!」 「どうよ、俺の焼夷弾の味は」 敵のドートレス群は一気にパニックに陥る。そして熱さに耐えきれず、ならず者共はMSを降りだした。 「くっそ、覚えてやがれ!ボスに言いつけてやるぅ~!」 ならず者はさっさと逃げていき、また辺りは静まり返る。 「ふぃ~、一件落着か?」 フラッグとジム・クゥエルが顔を上げると、バズーカを担いだMS『MSー05B ザク』が立っていた。 「…遅かったな、おっさん」 アユミがムスッとしてザクのパイロットに話しかける。 「しかたないだろ、ザクはお前さんのフラッグより脚遅ぇんだからよ」 「しかも!あたしが援護要請したのにおっさん一人!?」 「まぁ、そう熱くなんな。だいたいこの位の奴らお前一人でも十分だったろ」 「むぅ…」 怒るアユミを黙らせて、『おっさん』はザクのモノアイをジム・クゥエルに向ける。
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