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遊園地は、夏だった。
チェシャ猫のボリス=エレイが、眠りネズミのピアス=ヴィリエをいじめて…
世間一般の見解からすると、猫はネズミを狩るモノだ。
それはこの二人…いや、二匹にも言えることで、ボリスはピアスで遊んでいた。
敷地内のプールで。
遊園地のオーナー、メリー=ゴーランドからは、いつものヴァイオリンではなく、ウクレレの演奏を聞くように催促されたが、断った。
彼の音楽は、ボリス曰く、騒音テロだ。
つまり、凄まじい音痴。
あれは兵器だ。
それから逃げてきた私は、続いて帽子屋屋敷に向かった。
帽子屋屋敷の周辺は、秋。
紅葉が舞い、落ち葉が降る。
屋敷の門には、いなければならないはずの門番がいなかった。
帽子屋屋敷は、帽子屋ファミリーというマフィアの本拠地なのだ。
だが、この屋敷の双子の門番、トウィードル=ディーとトウィードル=ダムには、サボり癖があり、門番なのに、門の前にいることは少ない。
中に入ると、見えた。
双子の門番の、赤と青の色違いの警備服に、屋敷の主…帽子屋ファミリーのボス、ブラッド=デュプレのセンスの悪い服と帽子に、白衣の女。
は?
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