プロローグ

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部屋の中央に設えられたガラス張りのテーブルでは、対峙する形で二人の男女がソファに座っていた。 二人は両方とも金色の髪をしているが、男の方はオレンジに近い迸るような濃い金色であり、女の方は透き通った白金を散りばめたような色をしている。 歳には髪よりも大分差があり、男は今年で十八になるが、線の細い輪郭に中性的な容姿から実年齢よりも多少若く見える。 女は高貴そうな顔立ちをしており、その落ち着き払った佇まいから十代のうちから二十代半ばにみられていたが、今ではそれ相当の歳に達している。 男――黒神有史はこの穏やかな空間に流れる、神経が切れそうなほどに緊迫した空気に、ほとほと困り果てていた。
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