プロローグ

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有史は、一刻も早くこの空間から抜け出したい思いでいっぱいなのだが、それを叶えるための手段は、この女将軍との話を早急に終わらせること以外には無かった。 部屋には有史と彼女――リリア・ロゼフィールドの二人だけなのだが、外のドアに二人、さらに建物を囲うようにしてリリアが連れてきた兵士が二十人ほど警備にあたっている。 脱出を試みても、セントラルから連れてこられた手練れの軍人に捕縛され、刑罰として理不尽な命令をされるのがおちである。 その理不尽な命令とは、今まさに解答を求められていることへの強制合意であり、それならば説得でなんとかするほか手段がないだろう。
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