123人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
その研究所は、成る程、山深い場所に位置していた。
だが、そこに至る途中の車内では私の両隣を体格の良い兵隊が占め、その研究所までの途上は判然としない。
漸く窮屈な車内から解放され、私達は研究所の前に立った。
そこで、私は少しく違和感を覚えたのである。
何故なら、新しく建造したにしては、いやに研究所は古びていたからだ。
元は白かっただろう壁は黒く薄汚れ、所々のペンキが剥がれ落ちていた。
そして、私と彼女はこの研究所で働くことになった。
最初のコメントを投稿しよう!