【ヒサルキの真相】

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その研究所は、成る程、山深い場所に位置していた。 だが、そこに至る途中の車内では私の両隣を体格の良い兵隊が占め、その研究所までの途上は判然としない。 漸く窮屈な車内から解放され、私達は研究所の前に立った。 そこで、私は少しく違和感を覚えたのである。 何故なら、新しく建造したにしては、いやに研究所は古びていたからだ。 元は白かっただろう壁は黒く薄汚れ、所々のペンキが剥がれ落ちていた。 そして、私と彼女はこの研究所で働くことになった。
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