【ヒサルキの真相】

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研究所に戻った私を待っていたのは、あの冷泉中尉であった。 彼は研究所前の門で独り立っていた。 恐らく顔面蒼白だったろう私は、一礼して彼の横を通り過ぎようとする。 その時、彼は通り過ぎざまに言ったのだ。 この研究も佳境に来ているので、暫くは彼女と会うのは慎んで欲しい、と。 実際のところ、私はそうせざるを得なかった。 何故なら、これ以降、私は研究室から出るのにも相応の理由が必要となり、これは体の良い軟禁状態だったからだ。 だが、一日の内の数十分ではあったが、私と彼女は会うことが出来た。
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