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『だけどこれは、2人だけの秘密だよ…?』
有村くんに囁かれ、不覚にもドキッとした。
『うん…分かった…』
緊張した。
夕日に照らされて、オレンジ色に縁取られた有村くんの姿にみとれてしまった。
『…何か付いてる…?』
私が有村くんをガン見していたからか、不思議そうな顔をした有村くんに尋ねられた。
『ううん。ただ、夕日と有村くん、何かキレイだったから。何か、神さまみたい』
『ぷはっ!!…くくく…っ』
何故か笑い出す有村くん。
『ど、どうかした…!?』
『い、いや…結城さんって、喋ったかと思えば神さまって……!!』
また笑い出す有村くん。
そんなに笑うこと!?
確かに喋らないけどさ……
『もう、有村くんうるさい~』
私が文句を言うと、
『あ、名前、覚えててくれてたんだ。嬉しいなぁ』
『当たり前じゃん……ってか、“結城さん”って止めてよ。堅苦しいなぁ』
『じゃあ、フルネーム教えてよ。“結城さん”ってしか知らないんだよね』
『……ここあ。結城心愛…』
『心愛ね!可愛い名前だね』
素直に嬉しかった。
何か、初めて言われたかも。
『心愛!!』
男子に下の名前で呼ばれるなんて、何年ぶりだろう……
『…なに』
素っ気なく返した言葉に、
『俺、有村くんじゃなくて……?』
私にわざとらしく聞く有村くん。
言わなきゃダメ、かな……?
『…航平……くん』
頑張ったよね、うん。
『ま、いっか♪よろしくな、こ・こ・あ♪』
『……///』
今気づいたけど、1日でこんなにしゃべったの久しぶり。
何年ぶりだろうか……
そう考えると、有……航平くんは、私が一番自然体でいれる人なんだときづいた。
嬉しいなー
、
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