いらないなんて、言わないで

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『ただいま…』 と、返ってくるハズのない言葉に期待をしながら言ってみたけど…… やっぱり、返って来ないか。 そう思っていると…… 『…おかえりなさい』 『…母さん…!!』 びっくりした。 今日は驚きが多い。 久しぶりが多い。 『……ちょっと出かけてくるから』 『…うん…!!』 久しぶりの会話に胸を踊らせながら、期待に胸を膨らませながら。 『いつ帰るの……?』 そう、ちょっと聞いただけなのに…… パシン。 『うっさい!!!ちょっと優しくしたからって調子に乗らないで!!』 叩かれた。 久しぶりに、叩かれた。 放心状態の私に、とどめの一言。 『あんたなんか、生まれて来なければ良かったのに……』 ガチャン。 力強く閉められたら玄関の扉。 頬を伝う、暖かい雫。 こんなの、慣れてるはずなのにな…… 止まらない涙。 私はその場に座りこんだ。 すると、 ピーンポーン…… チャイムが鳴り響いた。 誰だろ。 居留守しちゃおっかな…… ドンドンドンドン。 たたかれる扉。 『心愛!!俺だよ、開けろ!!』 『航平……くん?』 、
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