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心愛side
1時限目、早速授業だ。
教科書、見せるんだよね……
気が重いなぁ。
そして、授業が始まった。
『お、お前が転校生の有村かぁ~なかなかイケメンじゃないかー!!』
『そんな事ないっすよ』
『またまた~!ま、授業に置いて行かれないように頑張って着いて来いよ。あと、教科書は結城に見せてもらえ』
『はい』
返事をすると彼は、私に小声で話しかけて来た。
『ごめん、結城さん。教科書見せてくれる?』
あまりに申し訳なさそうに話すから、
『うん、いいよ全然。』
私にしてはしゃべってしまった。
『ありがとう』
満面の笑みで言う彼に、何故か私まで笑顔を見せていた。
『………///』
『……?』
急に赤くなる有村くん。
わけが分からない。
『…窓、開けようか…?』
私が尋ねると、
『ははっ、大丈夫。ありがとね』
何故か笑われた。
有村くんは不思議な人だ。
そう思った。
私が自ら人に話しかけるのなんて、久しぶりすぎる。
そんな自分の心境の変化に、自分で驚いたりした。
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