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満月
「そうか、ありがとう」
満月はそう言って頭を下げて紫達の横を通り過ぎた
紫
「満月」
紫がそう言うと満月はピタリと進むのを止めた
満月
「何かな?」
満月は後ろ向きに答える
紫
「満月、貴方は異変を起こす気があるのかしら?」
満月
「ないよ、今の俺じゃ紫姉さんに敵わないから」
克也
「嘘だよね?」
克也は満月の言葉を遮る様に言った
満月
「嘘じゃない」
克也
「満月は気付いてないかも知れないけど……殺気が漏れてる」
克也がそう言うと満月は振りかって克也を睨んだ
その眼はとても冷たく、今にも襲い掛かって来そうな感じがする
そんな眼で見られた克也は身震いをした、今までぶつけられた事のない殺気の強さに
紫はそんな克也を安心させる様に少しだけ強く抱きしめる
紫
「あら、そんな眼が出来るなんて立派な殺しが出来る証拠ね」
紫も警戒しながら軽口を叩く
満月
「者を殺すのに立派も綺麗もない、あるのは残酷さだけだ」
そう言う満月の表情は何処か悲しげな表情だった
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