ヒッチハイク

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返事はなく、まだ泣き声だけが聴こえる。 「体調でも悪いんですか、すみません、大丈夫ですか」 泣き声が激しくなるばかりで、一向にこちらの問いかけに返事が帰ってこない。 その時、駐車場の上に続く道から車の音がした。 「出ろ!!」 俺は確信とも言える嫌な予感に襲われ、女子トイレを飛び出し、カズヤの個室のドアを叩いた。 「何だよ」 「車の音がする、万が一の事もあるから早く出ろ!!」 「わ、分かった」 数秒経ち青ざめた顔でカズヤがジーンズを履きながら出てきた。 ・・・と同時に、駐車場に下ってくるキャンピングカーが見えた。 「最悪だ…」
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