ヒッチハイク

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軽快に口笛を吹きながら、大男が小を足しているらしい。 女子トイレの女の子の泣き声が一段と激しくなった。何故だ?何故気づかない? やがて泣き叫ぶ声が断末魔の様な絶叫に変わり、フッと消えた。 何かされたのか?見つかったのか!? しかし、大男は男子トイレににいるし、他の家族が女子トイレに入った形跡も無い。 やがて、口笛と共に大男がトイレを出て行った。 女の子がトイレから連れ出されてはしないか、と心配になり、 危険を顧みずに、一瞬だけトイレの裏手から俺が顔を覗かせた。 テンガロンハットにスーツ姿の、大男の歩く背中が見える。 「ここだったよなぁぁァ!!」
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