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「だって僕と兄さんは…兄弟だし、男同士だし………。こ、困る……」
アタフタと言葉を滑らせながら、最後はごもる弟。
「お兄ちゃん……。もう少し私の方も見てよ………」
「ありすは…兄妹だし、そういうのは………困る」
「もう! 柚樹の真似しないでよ! ほら、良いから感想! 朝ご飯の!」
何故かありすはご立腹の様子。
別に真似した訳じゃないんだけどな。ありすとは兄妹だからブラコンだとしても、そこは自重させるのが兄の役目とも言える。
「ああ、そうだね。昨日と変わらずにとっても美味しいよ。将来は良いお嫁さんになる」
「ほ、ホントお兄ちゃん!? ………じゃ、じゃあ………お兄ちゃん。私を貰ってくれる?」
「のー」
「そうやって私を虐めるお兄ちゃん大好き! てりゃ」
ありすは何の因果も無く、朝ご飯を食べている俺の膝にスリスリと頬を預けてきた。
実は結構あったりするのねこういう事。
「あはは………、姉さん。だけどホントに嬉しそうだね」
「仕方ねーな。もう少しこのままでも許してやるか。暖かいし」
そうだぞ、まだ4月だし寒いんだからこれは役得みたいなもので望んでる訳じゃないからな。
解説ウザい? ワロスワロス。俺は美少女というべき我が妹を膝に、ただ黙々と朝ご飯を食べつづけるのだった。
場所は代わって玄関。
既に身支度を整え、制服に着替えた柚樹とありすはまだ靴を履いている俺を待ってくれていた。
「もう、お兄ちゃんなんだから………」
「うっさいな。ただ何分か先に俺が生まれただけだ」
「屁理屈ばかりだね、兄さん……」
「最愛の弟に言われるのはかなりショックだよ…。兄ちゃん立ち直れない」
「その時は最愛の妹が介抱してあげるからね?」
「はいはい、嬉しいよ。ありす」
「うん!」
妹の笑顔を見れた所で靴の紐を結び終え、立ち上がる。
今日はこの街で新しいスタートを切る日。高校生活を迎える日。そして………。
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