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田所についていく。そうすれば、離れずにすむ。
単調な日々を捨てて、田所の手を取る。
すべてを投げ出し、何もかも放り投げて。
魅力的なその誘いに、しばらく想いを馳せた。
「ありがとう岬」
笑みを浮かべて、岬にキスを返した。
岬はキスを受けてから、立ち上がった。
「シノの薄情者。俺に置いてかれて、泣き暮らせばいいんだ」
言葉とは裏腹に、田所は嬉しそうだった。
「俺も驚いた」
笑いながら、俺も湯を出る。
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