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「いいや、俺はお前の担任だってこと。いい知らせだろ?」
「悪い知らせだよ!!」
どうして毎日この人の顔を見なきゃいけないんだ。
可愛い女の子ならいざしらず、どうしてこんな暑苦しい体育系数学教師と。
「お前本人を前にしてよくそんなこと言えるな。そういうの嫌いじゃないぜ」
「正直者なんですよ俺は」
「目は死んでるのにな」
「余計なお世話だ!!」
昔から思ったことは割と口にする方だった。
世渡りが大変だろうと言われてきたが、まあなんとかなるだろう。
「まあ始業式が終わるまでまだ時間がある。俺とのんびり会話でもしようぜ」
「勘弁して下さい。心が保ちません」
この人はかなり疲れる。
それはもういつか倒れてしまいそうなほどに。
ああ……早く始業式終わんないかな。
どうせならもう少し遅刻すれば良かった。
遅刻するとわかっていても、なぜか急いでしまうような感覚に俺は負けてしまった。
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