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――4月7日、桜が一面に広がる今日。
俺は慣れない通学路を歩いていた。
秋谷仁、高校二年生初日、すでに遅刻しそうです。
親の海外転勤が決まり、一人暮らしが始まって浮かれていたらこのざまだ。
実際走れば間に合いそうだけど、中学で頑張った剣道も虚しく、高校に入って目覚めてしまったギャルゲーのせいで、もとから群を抜いてなかった体力が地の底につき、10メートル走るのがやっとになってしまった。
いつの日かに貰った魚のストラップに苦笑いを向ける。
ここ、桜野市にはかつて少しだけ住んでいたことがあって、その時にこのストラップを友達に貰った。
また、会えるかな……。
なんて思いながら、最初の挨拶をどうしようか考え始めると、後ろから足音が近づいてくる。
足音はどんどん近づいてきて俺の後ろに――え?
「あぶなあああぁぁい!!」
「ぐはっ……」
突然後ろから今までに感じたことのない衝撃をくらい、俺は地面を滑る。
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