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入学式が過ぎ、今日から授業だ。
―…どうしよう。
正直、不安でいっぱいだった。
友達は出来たけど、授業…先生…ついて行けるだろうか。
私には、小学校高学年の時の事だが、担任をイジメていた過去がある。
まだ知らない事ばかりのこの学校では、いい先生に出会えるだろうか。
自分のクラスの担任の顔と名前は覚えたが…他の先生とはまだ、面識がない。
何校時目かは忘れたけど、その出会いは割とすぐやって来た。
国語の授業だった。
国語は嫌いじゃない。
チャイムが鳴って席についた。
―ガラッ
一瞬、生徒かと思うぐらい、若くて可愛い女の先生が入って来た。
―若っ!いくつだよ…
正直、若い先生は苦手だった。
特に、女は。
「えー初めまして、私があなた達に国語を教える事になりました。よろしくお願いします」
幼く可愛い顔とは裏腹に、その声はしっかりとしていて少し近寄り難い感じだった。
先生は、授業中クラスがうるさいと、可愛い顔と声に似合わず、ヤンクミのような啖呵を切って黙らせ、驚かせていた。
私は、そのすごいギャップに慣れなくて、5月ぐらいまではずっと苦手だった。
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