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「二度と帰って来られないようにしてやる…!!」
父が翡翠に近づきながら、手をのばす
「や、やめ…来ないで…っ!!」
ガシッ
夜月が父の足をつかむ
「翡翠に、手ぇ、出しやがったら、殺す」
先ほど蹴られた腹が痛み、とぎれながらも、言葉を紡ぎだし父をにらみつける
「な、んだと!?俺が先にお前を殺してやる!!」
そう怒鳴って、夜月の髪をつかみ、首をしめた
「…う、あ…は、なせ…っ」
手の力は、ゆるまない
(や、ば…し、ぬ…?)
(やだ、しにたくない)
ガツッ
鈍い音の後に、父の手の力がゆるむ
「ゴホッ、ぐ、ゲホッ…?」
いきなり入ってきた酸素に体が追い付かず、咳き込む
夜月の足元で父が倒れている
「…は?…気絶してる…?」
(なんで?)
「よかった、お姉ちゃん」
翡翠の声に夜月が顔をあげると、父を見下ろす翡翠の姿が見えた
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