三章;僕と猫の妹と時々アイドル

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「――私は、佐々木大和さんが好きです」 ……好きです、その言葉を聞いた時私は、身体中が引き裂かれるような衝撃が襲ってきた なんでいままで気付かなかったんだろう 私……本当にバカだ……気づくのが遅すぎだよ、好きな人が告白されてからだよ。本当に遅いよ。 私は、大和が好きなんだ…… 勿論今からでも大和を拐ってでも止めたいと思ったけどそんな馬鹿な事はしないし、それを我慢してるのは私だけじゃないもん 飛鳥も我慢してるのがすぐ分かった、飛鳥は悲しそうに下唇を噛んで今にも泣きそうな表情をしていた 「えっえと中野……さんだっけ?あっあのさ気持ちはうれしいんだけど……その少なくとも俺初対面だから……さ、…」 大和は申し訳なさそうに中野さんに何かを言おうとすると中野さんは大和の口を手で塞いだ 「あの大和さんには私二回は助けられたし、初対面でも無いんですよ」 「えっ!?俺そんな事いつ……」 「……百聞は一見にしかずです」 中野さんはそう言うと戸惑う大和を気にせずメガネと髪の毛……違うあれは桂を取るとそこには金髪ロングヘヤーの女の子 ……アイドルの烏丸由美子さんだった 私は、あまりの衝撃に思わずドアから飛び出そうになったのをいおりちゃんが押さえてくれた ……ていうか私達より大和の方が衝撃だったのだろう開いた口が閉じなくなっていた 「あっえっ、ビックリした……烏丸さんって……」 「私は、貴方の後輩なのに私に敬語なの?」 「敬語使わなくて良いのか?ってかお前は敬語使えよ」 「だが断る!!」 「断るなよ!!」 「……先輩、このページの最初の台詞覚えてますか?なんか甘酸っぱい雰囲気どっかにいっちゃってるよ」 「あー、なんかそんな雰囲気だったけど多分乗りはlikeなんだろ」 「先輩……あんた超能力者ですか……」 「合ってたんだね!!」 ……なんだろう悩んでた私が馬鹿みたいな気がしてきた けどお陰で自分の気持ちには気付けた気がした…… その時後ろから誰かが近づいてくるのに気付いた 「あなた達そこで何してるの」 そこにはいおりちゃんと同じくらいの大きさの赤い目の少女がいた
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