ドミノ

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めがさめた。頭の中が真っ白だ。ここはどこだろう?どれくらい眠ったのだろうか……。薄暗い中、電気のスイッチを探すオレ。だが、電気のスイッチは全くある気配がない。諦めたオレはポケットの中を探る。携帯電話だ!助かった。携帯を開くオレ。携帯の明かりというのは時に人間を安心させる。暗闇の中の天使がオレに笑顔をみせる。オレはとっさに辺りを携帯で照らした。何かないか。何かないか。せめてここから出よう。信じたくないが、電話のメモリーをぜんぶ消されていたからオレがとった最善の方法だった。出口を探すオレ。携帯の光は非常に役に立つ。オレの頭の中でこの部屋の広さが分かりかけた瞬間、オレは見てはイケない物が目についた。。落ち着け。落ち着け。オレは何度も自分に呟く。だがオレは言うことを聞かない。『ストーカーから女の子を守るとか、お前は強い奴だなぁ。』学校のセンコーの言った言葉が蘇った。『いつでもお前は落ち着いていられるよなぁ。』先輩に殴られそうになったオレを見てダチが言った言葉だ。だが、この時は違った。背中を何者かに刺された感じがした。頭の中のドミノが倒れだした。弱い自分。いや、強い人間なんていない。だって、さすがのオレでも、目の前に死体があったら焦るのだから……
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