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-ピピッ、
立体モニターからジョウント通信が入る。体格の優れた、若い女が現れた。
「こちらヒルデ。もうすぐPAN57の衛星軌道付近に入る。」
女は冷静に、しかし内に秘めた熱い闘志を目にたぎらせていた。
「‥極めて危険な任務だ。独りで敵わない場合は直ぐに離脱し連絡しろ。その為のブースト機能だ。いいか、無茶だけはするな!」
「わかってます。私だって長官に比べればかなり冷静なほうよ‥‥!?」
コクピットに振動が走る。女の顔色が変化し、野獣のような獰猛な目付きを露にした。
「お客さんみたい、挨拶してくる。」
女は手馴れた手つきで宇宙船のコンソールを操る。
「着いたらまた連絡する。」
そういって、回線は切れた。
「やはり、奴を捜さねばならん‥‥。」
長官と呼ばれた男は、側に並べていた親友の家族が揃っている写真を見る。伝説の宇宙刑事、ギャバンの家族写真。そのギャバンが抱えている少年に、長官は厳しい眼差しで睨み付けた‥‥‥。
* * *
小型の偵察機が五機。侵入者にちょっかいを出して嫌がらせをする機体だ。
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