序章

5/7
前へ
/132ページ
次へ
「ゲーセンで鍛えた私の曲撃ちを見せてやる!」 操縦席に付けられた戦闘用のヘッドギアが降りる。宇宙船は薄い楕円形の形をしている。無の空間といっても僅かに水素などの分子が浮遊している宇宙空間では、超光速飛行する形状としては楕円が最適だ。かつ、戦闘行為も360度全ての面で対応出来、それがゆえに搭乗者に負担を強いる負の面も持つ。 その負担を和らげるためのヘッドギアだが、単に『戦闘を素早く終らせられる分、負担も減る』というだけのものでしかない。 頭に被ると、視力を介さずに全天周の状況を把握出来るようになる。脳波で敵をロックオンしたら、あとは本当に、ゲームに近い感覚で引き金を引くだけだ。 「くらえ!」 双発型のレーザー機銃が発射される。彼女にとっては昔ながらの古びた兵器だが、目の前のハエを叩くには十分すぎる。集中砲火を浴びせ、二機をまとめて撃破した。 「私のこと、早速バレたかな。」 偵察機にちょっかいを出されると言うことは、そういうことになる。しかし、彼女は怯まない。 「私は正面突破しか、やり方を知らない」
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加