序章

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防御シールドの出力を弱めつつ、その分のパワーを機銃の火力に転用した。旧式のポンコツ武装は使い勝手が悪いと頭の縁で嘆きつつ、一機、二機を撃破する。 「ようやく、あと一機!」 全機銃から発射されるレーザーが、雨あられのように降り注ぐ。程なく敵機は木っ端微塵に吹き飛んだ。が、その爆発とシンクロして、船の真反対から強い揺れが襲った。 「きゃあっ!!」 ズシンと響く揺れに、操縦レバーを握りしめてなんとか踏ん張る。メカの操縦が絡むと、昔からろくなことがないと舌打ちをしつつも、あくまでも冷静に、機体の大気圏突入の角度を調整させた。 「安上がりのプチメカのくせにっ!」 ヘッドギア越しに、ケツを撃った張本人が、してやったりといいたげに棒立ちしていた。15メートルサイズの、ゲリラ戦型半人型兵器だ。50~70メートルの決戦ロボとは違い、安上がりで数も揃えられ、幅広い戦術で使える上に新カテゴリーの為その存在を規制する法が存在しない。撃ったのは、火力を重視した殲滅型機種、コルクスクリューのようだ。
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