これが日常というものです。

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「レナ、お茶」 そう言って豪勢な椅子に君臨する主。 ダンッ!! 無言で机にポットを置く使用人、もといメイド。 「おーい。置き方荒い。ってか汲んでよ」 ひらひらと左手に持つ空のカップを見せつける。 ギロッ 「…(自分で入れろや…)」 「なんか心の声が聞こえるー」 「目で心情を訴えてますから。伝わったのなら幸いです」 「えっ?愛してるって?」 「…」 「おーい汲んでってば」 キュッキュッと無言で掃除を続ける。 「レナレナー。レーナー」 駄々をこねる主は見ないフリ。聞こえないフリ。 ガシャン 突如響く破壊音。 ピタリと掃除を止め、主の方に目をやると、 主の足元には粉砕したカップが転がっている。 「…また、割ったんですね。また」 「なんで"また"って2回も言うの」 「知らないんですか?大事なことは2回言うんですよ」 「レーナー」 はぁ。
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