これが日常というものです。

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カチャリ こんな奴の相手をしても仕方がないので黙って作業の続きをする。 「ねぇ」 無視。 「知ってた?」 無視。 「僕が"また"カップを落としたのはね、」 無視。 「おっちょこちょいでも、不注意でもないんだよ?」 無視。 「わざとだよ」 カチャリ… 最後のひとかけらを拾い上げる。 「どうしてかわかる?」 クスクスと静かに笑う様子は艶やかだ。 沈黙を守ったまま立ち上がりコイツの側から離れようとする。 それでも彼は言葉を繋ぐ。
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