-プロローグ-

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「なに笑ってんだよ…」 俺が少し怒ったように言うとミズホはまたニコリと笑顔を見せつけて言った 「ごめんなさい。あなたの雰囲気、どこか私の弟に似ててさー」 「弟?」 「ええ。あなた今、何歳?」 「何歳だと思う?」 「21歳」 「正解」 楽しそうに笑うミズホに、頭の中で何かが重なる 胸に針を刺されたような痛みが、チクチクと心に襲いかかった 幼い頃、風邪で寝込んでいた時 母さんが付きっきりで看病してくれたっけ…… あの日の優しい母の姿がミズホと重なり、俺の心は堪らなく苦しくなった
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