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「正解?やっぱりね!」
「偶然だろ」
「いいや、私の目に狂いは無かった」
「はいはい」
そんな俺の心苦しさを他所に、ミズホは元気一杯に微笑んだ
そんなミズホの顔が暗くなったのはその直後だった
ミズホ「私にも、そうね……生きていればちょうど貴方と同じ、21歳になる弟がいてさ……」
「え……」
「ごめんなさい……なんとなく雰囲気が似ててね。
重ね合わせて……満たされたつもりになってた……
あの日、のこのことあなたに着いていったのもそのせいね
病室でずっと看てたのもそのせい
バカだね。あなたは何も関係ないのに……ごめんね」
うつむくミズホの目には、うっすらと涙が浮かんでいた
「お、おい……」
俺は慌ててしまって何も上手い言葉が思い付かなかったその内にミズホは鞄を抱えて立ち上がる
「ごめん。迷惑だよねもう行くね」
そう告げるミズホの顔は、警察に連れられ家を出ていく日の母親の表情に似ていた
「ま、待てよ」
「いいよここにいて!
いたいんならいろよ!!
重ねたいんなら重ねれば良いじゃん」
俺は焦っていて自分でも何を言っているのかわからなかった。
「コウキ……」
ミズホは目をパチクリとしながら、肩を震わせ涙を流したそれはこれからの二人の人生をかえる、一つの転機であった
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